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切る (フランス料理) : ウィキペディア日本語版
切る (フランス料理)[きる]

切る(きる)では、フランス料理に使われる切りかた、特に野菜の切り方について説明する。
== 様々な切り方 ==
「~ェ(仏:-é(e))」式の単語は、切り方そのものを表す動詞の過去分詞形に由来する(-é が男性形、-ée が女性形。発音は同じ)。
それ以外の単語は、切った後の食材の形状や状態、その切り方を用いる料理などに因む(tailler en ~「~状に/~用に切る/刻む」という風に用いる)。
; アッシェ(仏:haché(e))
: 日本名:みじん切り
: 非常に細かく切ったもの。ジェリエンヌ(後述)を切るとすぐにできる。切断面が多いので水分が抜けやすい。
: 語源の アッシュ hache は斧/鉞のこと。
; アリュメット(allumette)
:日本名:マッチ棒切り
: マッチ棒の軸のように 5mm 角に切ったもの。なお allumette はマッチ棒のこと。
: フィユタージュ(仏:Feuilletage)を細かく切って長方形に焼いたパイのことでもある。
: 使用している料理:アリュメット(ジャガイモをアリュメットに切り、で揚げ塩で味付けした料理)
; エスカロップ(仏:escalope)
: 1cm前後の、やや厚めの薄切り肉。エマンセ(後述)よりも厚め。、特に子の薄切りに使われる。
; エマンセ(仏:émincé(e))
: 日本名:薄切り
: 薄く切ったもの。色々な食材、主に肉料理に使われる。
: なお語根のマンス mince は「薄い」。
; エマンセ・ロン(仏:émincé(e) rond)
: 日本名:薄切り
: 丸く薄く切ったもの。 ポテトチップに使われる。
: なお rond は輪切りにした食材のこと。
; オリーヴ(仏:olive)
: オリーヴの実のような形に切ったもの。シャトー(後述)に似るが面がない。
; ココット(仏:cocotte)
: 日本名:ココット切り
: 3cm 位に切り、フットボール状に面取りしたもの。: なお cocotte は(蒸し焼き用の蓋付き)両手鍋のこと(「こっこちゃん」、つまり雌鶏を表す幼児語でもある)。
; ゴーフレット(仏:gaufrette)
: じゃがいもを薄い格子状(クリスカット)にしたもの。マンドリーヌ(スライサー)を使って90度ずつ回転させながら切る。ポテトチップに使われる。
: なお gaufrette にはウエハースの意味があるが、ここでは小型のワッフルのこと。
; コルレット(仏:collerette)
: 日本名:輪切り
: 皮を剥いた後、そのまま切ったもの。なお collerette は子供服中世服飾の飾りのこと。
; シズレ(仏:ciselé(e))日本名:千切りまたはみじん切り
:野菜に使われる。スィズレ ciseler (原形)は「(金石に)彫刻を施す」こと。
; ジュリエンヌ(仏:julienne)
: 日本名:千切り
: マッチ棒より細い糸状に切ったもの。 にんじんやじゃがいもが使われることが多い。これは Jean Julien というコックの名に因む。
: 使用している料理:コンソメジュリエンヌ(コンソメスープにジェリエンヌした野菜を浮かべた料理)
; シャトー(仏:château)
: 日本名:シャトー切り
: ココットより少し大きく 5~6cm 位のフットボール状に切ったもの。: なお château はシャトーブリアンの省略形で、その付け合わせのジャガイモの切り方に因む(単語そのものは城郭の意味もある)。
; ダルヌ(仏:darne)
: 日本名:筒切り
:大きな魚などに使われる。なお darne とは(魚の)切り身のこと。
; トゥルネ(仏:tourné(e))
: 日本名:面取り
: トゥルネ tourner (原形)は「旋盤ろくろで加工する、形を整える」こと。
; トロンソン(仏:tronçon)
: 日本名:輪切りまたは筒切り
: こちらは木材に使われることもある。
: 語根のトロン tronc は(樹木の)幹、(動物の)躯幹および胴体のこと。
; ノワゼット(仏:noisette)
: 鹿や仔背肉などを円形に切ったもの。なお noisette はセイヨウハシバミの実(ヘーゼルナッツ)のこと。
; パヴェ(仏:pavé)
: 舗石のように分厚く切ったもの。なお pavé は舗石(のように四角くて大きな塊)のこと。
; バトネ(仏:bâtonnet)
: 日本名:棒切り
: 約 5mm 角、4~5cm の棒状に切ったもの。bâttonnet は小さい棒(バトン)のこと。
; バルド(仏:barde)
: 豚の背脂薄切り(ラードベーコン)。ラルドン(後述)とは違い、こちらは薄く切ったものに鳥肉など包んで焼くのに用いる。
: なお barde には(中世の)馬鎧の意味もある。
; ブリュノワーズ(仏:brunoise)
: 約 5mm の正方形に切ったもの。マセドワーヌ(後述)よりも細かいさいの目切り
; ペイザンヌ(仏:paysanne)
: 日本名:色紙切り
: 1~2cm 角の薄切りにしたもの。なお paysanne は田舎風のこと。
; ポン・ヌフ(仏:pont neuf)
: 日本名:拍子木切り
: 1cm 角、長さ 6~7cm ほどに切ったもの。 ポン・ヌフセーヌ川にかかるの名であり、その近くで売られていたフライドポテトの形が由来である。そのためジャガイモだけに使われる呼び方である。
; ブール(仏:boule)
: 球形に剥いたもの。もしくは刳り抜き型で刳り抜いたもの。バターソテーなどに使われる。なお boule はボールのこと。
; マセドワーヌ(仏:macédoine)
: 日本名:さいの目切り
: 約 1cm 角の立方体に切ったもの。フルーツや野菜に使われる。 ドミノ(仏:domino)とも呼ばれる。
: なお macédoine は数種類の野菜や果物を混ぜ合わせたサラダや温製料理のこと(語頭が大文字ならマケドニア)。
; ミニョネット(仏:mignonnette)
: 仔羊や羊の背肉から切り出した小円形の切り身。
: 可愛らしいという意味をもつ mignon は、ここではフィレ・ミニョン(ヒレ肉末端部の切り身)などにみられるように、肉の切り身のこと。それに指小辞 -ette (小さい~、~のようなもの)がついたのが mignonnette である(粗挽き胡椒の意味もある)。
; メダイヨン(仏:médaillon)
: 日本名:輪切り
:肉や魚などに使われる。なお médaillon は肉、フォア・グラ伊勢えびなどの輪切りを用いた料理のこと(元来の字義は「(裏に細工の無い)大型のメダル」)。
; ラルドン(仏:lardon)
: 日本名:紐切り
: 脂肪分の少ない赤身肉に差し込む為に切り出した、ベーコンや豚の背脂のこと。; リュバン(仏:ruban)日本名:桂剥き
: 帯状に薄く剥いたもの。 皮むき機を使う方法もある。ruban はリボンのこと。
; ルウェル(仏:rouelle)
: 厚めに丸く切った、骨付きの子牛や豚のもも肉およびすね肉や魚肉、特に子牛のもも肉を指す。
: 日本の輪切りに対応させるには、古風あるいは方言的な言い回しである。
; ロンデル(仏:rondelle)
: 日本名:輪切り
: にんじん、じゃがいも、ソーセージなどを 5mm 位の厚さに切ったもの。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「切る (フランス料理)」の詳細全文を読む



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